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大嵩雪火編~幼馴染?~

6年前。
大嵩雪火はまだ幼稚園児であった。
「今日はみなさんに新しいお友達を紹介します」
どうやら、転入生が来るらしい。
その子は紫色で長めの髪の女の子で、下を向いて中に入ってきたところからみてかなりシャイなようだ。
「あ・・・・あの・・・おおお、逢見、逢見・・・・藍沙といいます」
どうやらアガリ症でもあるそうだ。
「ではみなさん、仲良くしてあげてくださいね」

それから、自由時間になった。
雪火は一人で積み木をとりだし、適当に積み立てていった。
雪火がふと先ほどの少女を見てみると、隅のほうで座り込んでいた。
そこに、先生が駆け寄り、藍沙をつれて雪火のほうにやってきた。
「雪火くん、藍沙ちゃんと遊んであげて。ねっ?」
雪火はうなずかなかったが、先生は藍沙をその場においてどこかに行ってしまった
藍沙はたちながら、雪火を見たり目線をそらしたりした。雪火はずっと藍沙のほうを見ていた
すると、雪火は離れた位置にある三角の積み木のほうを指差した。
そして、藍沙がその方向を見たのを確認すると、次に自分が積み立てていた積み木の一番てっぺんを指差した。
藍沙はしばらく何もしなかったが、もう一度同じことをやると藍沙はその積み木をとり、積み立ててあった積み木の上に置いた。
会話は一切なかった。
それからしばらく日がたっても、一緒に積み木で遊ぶことはあったが、会話は全くなかった。

そしてある日、藍沙がポケットから何か落とすのを見て、雪火は拾った。
それは、お守りのようで、カメの絵が描かれていた。
雪火はこれを藍沙に返そうと藍沙の肩をポンと叩いた。
藍沙は雪火がお守りを持っていることに気づくとサッと取り上げた。
愛想のない受け取り方であったが、雪火はとくに気にしてはいなかった
だが、藍沙自身は少し罪悪感があったのか雪火にこう言った。
「大切なものなの」
それが雪火と藍沙にとって初めての会話であった。

1年後、二人は同じ小学校に通うことになった
二人はまた一緒のクラスになった。
そして、小学校に入って初めての夏休み。
雪火は砂場で一人で遊んでいた
すると、そこに藍沙がやってきて、藍沙は雪火の隣でちょこんと座った。
「何してるの?」
「トンネル掘ってる」
それから、数分会話がない時間が続いた。
「逢見・・・・・」
雪火は藍沙に何か言おうとした。
「いや、なんでもない」
そういいながら、雪火はバケツを持って水をくんできた。
そして、掘ったトンネルの中に水を入れた。
そのとたん、トンネルはくずれてしまった。
雪火はふたたび作りなおそうとした。
藍沙は言った。
「私も、いい?」
雪火は言った。
「いいけど」
それから、二人は砂場で遊んだ。
そういう日々が何回か続いた。
だが、藍沙の芸能活動が忙しくなるにつれて雪火と遊ぶ回数が減り、1年ほどたつと全く遊ばなくなった。

5年後
「そういえば雪火、前に藍沙がお前とときどき遊んだって言ってたけど何して遊んでたんだ?」
と、いつもの公園で允は雪火に聞いた。
雪火は一度砂場のほうを見つめ、言った。
「何だったかな。允の想像通りじゃないか。」
「いや、想像できないから聞いてるんだけど」
					
65ページの藍沙の台詞「家が近いから昔はときどきあそんだりしたけど……。」という台詞を見て、書いた作品
自分のイメージでは、雪火も藍沙も無口なイメージがあるので、いまいち想像がつかなかったんですが、無理やり想像して書いたような気がします。