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谷川光編~2人からの告白~

4月になったばかりのある朝、ある桜の木の下、
「私、光のこと好き」
「実はあたしも、光のことが好きなの」
谷川光は二人の少女に告白された。
一人は光と幼馴染で少し、いや、かなり天然の児玉なすの。
もう一人は今大ブレイク中のU-15アイドルで1年前には光が替え玉もしていた、青葉のぞみである。
「今日の夕方の6時にまた私たちここに来るからね」
「その時に、返事を聞かせてちょうだい」
光の口の中に桜の花びらが入った
結構、まずかった。

光はゆっくりと家に帰った
家に着いた時はだいたい10時半ぐらいであった。
光は自分の部屋にあるベットの上に寝転び、二人の顔を思い出していた。
なすのと光は生まれたときからの付き合いで、なすのはかわいい。
のぞみは、始めてあってまだ1年ほどしかたっていないが、やっぱりこちらもかわいい。
とりあえず光は、ノートを取り出し、二人のことについての表をつくり、まとめることにした。
光のことをよく知っているのはなすののほうであるだろう。
だが、光自身がよく知ってるほうはのぞみのほうである。暗記までさせられたぐらいなのだから。
見た目は、なすのはいつも子どもっぽい服装。のぞみは普段はかなり大人っぽい服装だが、仕事の時は子どもっぽい格好の時もある。
性格は、なすのが天然系、のぞみがちょっときつめの性格。
二人の共通点は番鳥好き。
胸の大きさは・・・
いやいや、それは考えないでおこう。

光は悩んだ、胸が苦しかった。時間は正午を回ろうとしていた。
「ぐ~~~」と光のお腹の虫が鳴いた。
光は気晴らしに近くのドーナツ屋へ食べに行くことにした。
そこでも光の頭は二人のことでいっぱいであった。お腹はまだ何も満たしてなかったが。

その時、誰かが光の名を呼んだ。
「ひ、光!!」
その途端、光は体全体鳥肌がたった。
声で、誰かは見なくても分かっていた。
「光、探したんだよ。通ってる学校しか分からなかったから」
光を呼んだのは浅間時矢という少年であった。
彼もまた、光のことが好きなのだ。
光は逃げたかったが、残念ながら逃げれそうな場所ではなかった。
「ここ、俺たちがデートのときに座った場所だね」
前にのぞみの代役として浅間とドーナツ屋に来ていたが、どうやら、その時の席は今光が座ってる場所らしい。
光自身、その時にどこに座ったかなんて覚えていなかったが、そういえば、そうだったような気もした。
「光、俺本気なんだ」
そう言いながら、浅間は光の顔に近づいた。
とにかく、光はこの場をのがれたかった
「あ、浅間、お、お、俺腹減ってんだ~ドーナツ買ってきてくれ、前みたいに30個」
「分かったよ、光の頼みなら」
浅間はドーナツを買いに行った。
光はその隙に店を出た。
店から出ると光は走って逃げた。
どうやら、浅間にはバレなかったらしい

光は近くの公園で休憩することにした。
その公園の時計は1時となっていた。
タイムリミットまであと5時間である
ふと、光がベンチのほうを見てみると一組のカップルが座っていた
だいたい、高校生か大学生ぐらいだろうか?
女性のほうは赤茶色の髪で、ちょっとおかっぱに近い髪形で、
男性のほうは青髪で、どこかかわいらしい顔をしていた。
「晶、はい」
女性のほうは、男性にたこ焼きを食べさせようとした。
光は男性のほうを自分だと思ってみていた。
だが、そうすると女性のほうはぼやけて見えるだけであった。
光はまた帰ってからなすのとのぞみの名前を書いた
一応、浅間の名前も書いて、すぐに斜線を入れた。
なすのかのぞみか・・・・・

光は小町さんに相談してみることにした
「もしもし、小町さん?」
「アラ光くん?久しぶりねー」
「あのさ、小町さん。ちょっと相談があるんだけど」
「なにかしら?」
「あの、俺今日、二人の女の子から告られちゃって」
「えっ? 本当? 光くんってモテルのね~私も10年若かったらその中に加わりたいわ」
「・・・それで、俺すっごい悩んでて、どうしたらいいんだろう?」
「そうね~? 光くんはどうなの?」
「俺自身分からなくて、正直欲張ったこと言うかもしれないけど、どっちも好きで」
「今までその二人とはどうしてたの?」
「3人でよく遊んでた」
「じゃあ、それをずっと続けていくだけでいいじゃない、きっとその二人も分かってくれるわ」
光は小町さんのその返答について少し考えた。
本当にそれでいいのだろうか?むこうは、納得しないんじゃないだろうか?
でも、のぞみとなすのは友達だしな~・・・
「分かったよ、じゃあそう言う。ありがとう小町さん」
「こんなことしか言えなくてごめんなさいね、また機会があったらお会いしましょ」
「うん」

時間は5時半になっていた。
光は急いで約束の場所に向かった。
光が約束の場所が見えるとこまで来ると、もうなすのとのぞみが来ているのが分かった。
二人はなにやら、仲良く話しているようであった。
そこで、光は決心した。
やっぱり、小町さんの言うとおりずっと3人で仲良くしようと。
光は二人の前まで来た。
「あっ! 光来た来た」
「もう、男だったらもうちょっと早く来なさいよね」
「ご、ごめん」
光はちょっと走ってきたので少し息切れしていた
「それで、返事は?」
いよいよ言う時が来た
「お、俺は3人で仲良くしたい。今までのままで・・・いたい」
一瞬、静寂になり、風が吹いた。
桜の花びらが3人がいる場所を横切った。
「な~んだ、てっきり光はのぞみちゃん選ぶと思ったのに」
なすのが言った
「あんたね~幼馴染優先させるでしょ?」
のぞみが言った。
光にとってはわけがわからなかった。
だって二人とも、相手のほうを選ぶと思っていたらしいのだから。
「ちょ、ちょっと待てよ、何それ?」
「何それって、あんたまだ気づかないの?あんたを騙したのよ」
「はぁ?なんだよそれ?何でそんな嘘なんかつくんだよ」
「だって、今日はエイプリルフールだも~ん」
「エ、エイプリルフ、フール???」
最後のほうは声が裏返りながら言った。
エイプリルフール、嘘をついていいと言われている日である。
「光なら簡単に騙せそうだったし」
「前から計画してたんだよね~」
光はその場で倒れた。
「エ・・・・エイ・・・・エイプリル・・・・・フール・・・・」
光はかなりショックであった。
「でも、光らしい返答だったよね~」
「そうね、ちょっとうれしいかな」
光はその言葉を聞いて、徐々に笑顔になった。
「俺、本当に、」
――のぞみとなすののことが好き。
そう言おうとすると突然後ろから声がした。
「光!!」
「げっ!浅間!!」
浅間はドーナツの箱2箱と、またまたポイントでもらったのか番鳥グッズを手に持っていた。
「まあ、浅間は本当にあんたのこと好きだからつきあうなら浅間とつきあうのが一番いいかもね」
「ちょ、冗談でもそんなこと言うな」
「光、これプレゼント」
「いや、いらねーって」
「わぁ!番鳥のお弁当箱だ!!あっ!こっちはハンドタオルだ!!」
「俺が前にキスしたのも光だったんだね」
「思い出させるなって。ちょ、なすの、のぞみ、助けて」
「まあ、考えてみれば私をずっと騙し続けてた借りは返してもらってないし」
「キャー!!光と浅間君ラブラブ!!」
「光、俺の顔をちゃんと見て」
「何でこうなるんだよーーーー」
光とのぞみとなすのと浅間の、ビミョ~な関係は、これからもつづきそう―――!?
					
SSらしく、クロスオーバーとして智恵子と晶も出してみました。
確か、ラストののぞみをどうしようか迷った記憶が。浅間の行動について止めるべきか、放っておくべきか。